花粉症でお悩みの患者さんへ
そろそろスギ花粉症(アレルギー性鼻炎)の時期がやってきます。今年は例年よりもスギ花粉が多く飛散することが予想されており、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状に苦しむ方が多くなると思われます。
スギ花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療は初期療法が重要です。初期療法とはスギ花粉症(アレルギー性鼻炎)の症状が出る前に治療を開始することにより、スギ花粉が飛散した後もスギ花粉症(アレルギー性鼻炎)の症状が軽く済みます。
鼻アレルギー診療ガイドラインに沿って、患者様一人一人に合わせた治療を提示させていただき、もっとも適切な治療を患者様とともに考えながら見つけていきますので、お早目の受診をお勧めいたします。
私、院長の菊池恒は自治医科大学付属病院耳鼻咽喉科にてアレルギー外来を主宰し、アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)の治療に関して多くの治療、研究を行い、多くの学会で発表し、論文を作成してきました。
現在も自治医科大学付属病院の耳鼻咽喉科アレルギー外来に非常勤医院として参加しており、大学病院で学んだ専門的な医療をクリニックに来院いただいた患者様に提供いたします。
スギ花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療は大きく分けて次の3つになります。
- (1) 保存的治療
- (2) 手術治療
- (3) 減感作療法
- (1) 保存的治療
- もっとも一般的な治療です。内服薬、点鼻薬、点眼薬、ネブライザーなどを組み合わせることによりスギ花粉症(アレルギー性鼻炎)の症状を改善します。多くの薬剤がありますので、その中から患者様にもっとも合った薬剤を見つけていきます。
お薬に関してはコチラで詳細をご説明しております。 - (2) 手術治療
- 保存的治療のみで症状が改善されない患者様には手術治療という選択肢があります。
1. レーザー手術(下鼻甲介粘膜焼灼術)
外来、日帰りで試行可能な治療です。主に鼻閉の改善に効果的です。当院では炭酸ガスレーザーを用いて手術を行います。残念ながらスギ花粉の飛散期には、手術を行うことによってアレルギー性鼻炎(スギ花粉症)の症状が悪化してしまうこともあり、スギ花粉の飛散終了後に行うことをお勧めします。2. 下鼻甲介粘膜切除術
基本は全身麻酔で行いますので、総合病院に紹介いたしますが、強い希望があれば、局所麻酔でも可能です。この手術も主に鼻閉に効果的です。鼻中隔弯曲症を合併している患者様は鼻中隔矯正術を組み合わせることで、より鼻閉の改善が得られます。(鼻中隔矯正術は当院では試行しておりません)
手術に関してはコチラでも詳細をご説明しております。 - (3) 減感作療法
- 1. 皮下免疫療法
アレルギーを根本から直す治療です。ハウスダスト、スギ花粉症の患者様に適応があります。効果は約70%程度といわれておりますが、私自身もこの治療によりスギ花粉やハウスダストが原因のアレルギー性鼻炎の症状が劇的に改善しました。はじめのうちは週1回の皮下注射が必要(効果が安定すれば1か月に1回になります)で、3年以上続ける必要があります。ショックなどの副作用が起こる可能性もありますので、この治療を希望される方は是非来院してください。(スギ花粉症に対する治療はスギ花粉飛散期後になります) - 2. 舌下免疫療法
皮下免疫療法と同様にアレルギーを根本から直す治療です。スギ花粉症、ハウスダスト(ダニ)の患者様のみの適応です。皮下免疫療法と違い、ショックなどの副作用が起こる可能性は極めて低いとされています。やはり治療は3年以上続ける必要があります。治療の詳細は是非来院してお聞きいただければ幸いです。治療開始は今年のスギ花粉飛散終了後になります。
免疫療法に関してはコチラでも詳細をご説明しております。